MOVIE DETAIL第15回誌上ドラム・コンテスト(マスターコース/ミカワタナベ)課題曲「グライダー」
2016.08.30 13:49 ミカワタナベ
説明文
リズム・ドラムマガジンにて開催されている
「第15回誌上ドラム・コンテスト」に応募しました。
「音を出している人と合わせるように」
「この曲をライブでやる想定ならお客さんにどうノってもらおう?」
「この曲の言葉を届けたい!」
というようなことを思って構成を考えました。
この曲は主人公が、想いをよせる人に意を決して会いに行く物語。
そこを一番に、寄り添いながらも盛り上げていくように。
ふと
好きなアニメである
新海誠先生の「秒速5センチメートル」の明里に会いに行く貴樹や
羽海野チカ先生の「3月のライオン」の、ひなちゃんに会いに新幹線に飛び乗る零くんのことを少し思い出しつつ。
おもいを伝えると心に決めたその人の、心臓の鼓動=ビートで、背中を押すような曲にしたいなという想いで叩きました。
エンジニアさんとやり取りし、この曲の世界観に寄り添うように、また自分の中で鳴っていた音をより再現してもらうべく、イメージを伝え、ミックスをしていただきました。
ライブで演奏する想定で叩いたけど、これを見る人はパソコンかスマホなので、耳にもすこし優しく。ちょっといいヘッドホンやイヤホンで聴くと、もっと素敵に聞こえるとおもいます。
たくさんの人に見ていただきたいです。
よろしくお願いします。
以下、ドラマー詳細
ミカワタナベとは?
野郎顔負けの爆音ビートと、でも何故かうるさくは無い不思議な心地よさが持ち味のドラマー。
スタイルとしてはロックドラマーですが
体が自然に動き出すようなリズムと、歌を大事にする音楽なら何でもやりたいと思っています。
バンドが解散してしまい、2016年8月現在はフリーのドラマーです。
みなぎるエネルギーを持った人間と、ガツンと音楽がやりたい。
そのためにまずは沢山の人と出会うため。色んな所に出没していきます。もちろん、ちゃんと呼ばれれば飛んでいきます。
音楽や言葉が持つ「におい」「色」「景色」「きもちよさ」を
人との演奏で伝えていくドラマーでありたい。
自己満足ではなく、ちゃんと外側に発信していきたいです。
出会うことがありましたら、何かの縁。
退屈はさせないドラマーです。
宜しくお願いします。
追伸*コンテスト終了後、もう一つの課題曲「wanna?」公開!
まったく違うドラムのアプローチで臨みました。
おたのしみに!
ミカワタナベツイッター
@Beat_Mikanabe
おすすめポイント
ポイントは歌の前のアルペジオ的ギターとの掛け合いビート、Aメロで鳴らしたタムたちです。
TheBeatlesのCome Togetherのあのビートのような、「この曲にはこのビートしかない!」みたいな、定石と全く違うアプローチを常々したいと思っていて、今回ここで挑戦しました。
ドラミングそのものより楽曲として聞いた時のケミストリー重視です。
動画情報
動画サービス | |
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投稿ユーザー | 渡辺美佳 |
投稿日時 | 2016-08-30 12:37:51 |
ミカワタナベ
2016.10.06 19:52
こんにちは。ミカワタナベ本人です。
悔しいかなドラムマガジンコンテストは二次審査まで通りませんでしたね。
私のコンテストは終わったので、どういう風にこのドラムを作ったかを書こうかと。
最後にお知らせ付きです。
まず歌詞を読んでどういう物語なのかを自分で仮定し、
たくさんある言葉の中で、どこが一番伝えたい部分か?
歌詞の奥に込められたメッセージは何なのか?
考えまくり、、
「この曲は主人公が、想いをよせる人に意を決して会いに行く物語。」
と仮定し、そこを一番に、寄り添いながらも盛り上げていくように。
「音を出している人と合わせるように」
「この曲をライブでやる想定ならお客さんにどうノってもらおう?」
「自分がお客さんなら、どうノるだろう?」
「この曲の言葉を届けたい!」
というようなことを思って構成を考えました。
このビートで、そのまま、主人公の心の変化を表したいと。
Aメロの歌詞は、、もうこれ完全に主人公のモノローグだから、ボーカルさんに歌ってもらいたいなぁ、ドラムいらないなぁ、ってことで、前半全部叩くのやめました。笑
二度目の
「いま ゆめをみる~」
このあたりから、モノローグ世界から少しずつ現実に意識が向かって。
Aメロ最後の「見失いそう」で、
見失しないそうな自分で、いいのか?
振り返り始めるために動き出す、そのための一発のタムでした。
Bメロは、心の中で、グライダーで飛ぶため高台まで歩いているイメージ。
んで、高台から見回してるイメージ。
四分音符のバスドラで主人公の歩く感じを表現。
ここのタムは、Coccoの「樹海の糸の」のビートを参考にしました。
あの曲のビート、大好きなんです。
Bメロ歌詞のラスト
「そこにあるなら」
そこにあるなら、行こう…!
決意で飛び立つ左足と右足。
だからあそこのスネアは二発にしました。
さて、サビです。
ここでも少し参考にしたビートがあります。
スピッツの「ビギナー」です。興味が湧いた方は聞いてみてね^ ^
一番と二番とでビートを変えたのには理由があります。
この曲では「いますぐ電車に飛び乗って君の心を確かめに行くよ」
と2度いっているけど、
たぶん最初は、この人は、
最初はめっちゃ不安に駆られて電車に乗ってるんじゃないかなと
なんなら、降りる駅に止まる電車に乗れてないんじゃないか、みたいな。
なぜか?
思いを伝えるとか、相手の気持ちを確かめるなんて、とても怖いことだから。
拒絶されるかもしれないし、そしたらたぶん立ち直れないし。w
心はグライダーのように飛び始めてるけど
「うわ!!風つよ!!つーかハネがいうこと聞かないんだけど!!こんなんで会いに行って平気か自分!?無理だよ!でも戻れないし!ウワー!」
っていう、気流にもまれてテンションもわけわかんない状態。
なので、電車には乗れないだろうな、、もしくは、乗ったのが中央線の青梅快速みたいな←(笑)、飛ばしまくって止まらないやつで、
「やば!これあの人のいる駅に止まらないよ?!乗っちゃったよ?!」的な
そういう謎のテンションの高さを
タドタドっていう、強いんだけどぎごちなさもあるビートで表現したのでした。
そしてベースソロ間奏。
ここで主人公はグライダーに慣れてきます。っていうか、
「こんなところでヘコたれる自分になりたくない!」
っていう気合いで踏ん張ってみたら、意外とコツがつかめて、飛ぶことの気持ちよさに気づきます。
「景色がきれいじゃん…!」みたいな余裕もでてきます。
あの、長さが倍になっているようなビート(ハーフビートといいます)は、
空をのびやかに飛ぶイメージを表現したのでした。
青梅快速(笑)に乗ってて、想う人がいる駅に止まらないことに気づいた主人公は、
一旦おります。
心の中で乗っているグライダーも、いったん着地します。
だから再びドラムを無くしました。
Cメロへ。スプラッシュシンバルで再び、モノローグの場面へ。
「見えない未来が今 消えない過去をつなぐ」
もう、このあたりがクライマックスっていうか、この曲が一番言いたい部分への序章。
これ、主人公は
秒速5センチメートルのタカキ
3月のライオンの零くん
時をかける少女の真琴
などなど
をイメージしてて、
一旦深呼吸して相手と過ごした日々を思い出します。
たわいもない話で笑った相手の笑顔、並んで歩いて帰った時に夕焼けに照らされた横顔、
約束ごとをしたときの指切りとか、ふとした瞬間の物憂げな表情とか
全部思い出して、
「ずっと一緒にいたいってちゃんと言おう!」
自分にはその人が必要なんだと確信します。
そんな主人公を応援したい私のドラム↓
(言おう!言おう!いおうよー!その背中押しますよ!!!)
笑。
思い出して、からの、確信、っていうのを表したのがCメロのビートでした。
確信だから、サビ前のスネアは、迷いのない心を表したかった一発で、心の奥まで響けっていう願いから、ディレイをかけてより意識的に深みを出しました。
で、もう迷うことはない少年はもう一度そらを駆け抜けます。
もう大丈夫、優雅に舞います。
電車も間違えません←笑
主人公が着実に前に歩いて行くための、エイトビート。
「会いに行くよ」
でドラムは主人公の背中をもう押し切ったから、
「いってらっしゃい」
ど見送るイメージ。静かに遠くなっていく電車のイメージ。
最後にもうひと押ししたくて、
ライドシンバルをだんだん大きくして終わらせたのでした。
おわり。
・・・
我ながら壮大な妄想ですねwwwww
物語を考えれば考えるほど言葉を大事にしたくなったから
歌に必要なことだけをやろうということと
どんどんドラムそぎ落としてw
Aメロに、挑戦かつ実験的に、一発のタムで流れを作るっていうアプローチをしました。
これが我ながらよくハマったなぁとw
youtubeのコメントにいただいている
「音楽として完成されているドラム」
っていうのは、すごく嬉しかったです^ ^
エンジニアさんのミックスや、撮影のオクシタさんに、
「バスドラは揺れ動く主人公の心臓のような音にして欲しい」
とか
「”そこにあるなら”で、主人公は覚悟を決めるから、ここの映像はスネアを叩いている素材を使って欲しい」
とかね、、、もう、、冷静になってみたら
主人公って誰だよwwwwww
って感じですよね。笑
そういう意味では、エンジニアの後藤さんや、撮影のオクシタさんも、近い歌心のある方で居てくれてよかったです。感謝。
それにしても、、、
叩かなすぎましたね、、、、笑
なので
近日また「グライダー」やります。
このグライダーは、
主人公が、想いをよせる人に意を決して会いに行く物語。
と仮定して作りました。
いわば「片思い」っていうイメージ。
ではこれが、
「両想い」だったら?
イメージを変えたドラムで音楽全体の景色がどれだけ変わるかって言うことを
表現したいですね。
ということで、
お楽しみに。笑
さあ言っちゃったぞ、後には引けないぞ。笑